PPWR: 包装廃棄物削減と持続可能な包装ソリューション促進のための EU 計画 Part 2

記事の前半では、欧州連合 (EU) の包装および包装廃棄物規制 (PPWR) と、包装廃棄物の削減、持続可能な包装ソリューションの推進、循環型経済への移行を目指すその野心的な目標について解説しました。また、過剰な包装廃棄物によって引き起こされる CO2 排出量と海洋汚染の憂慮すべき増加と、より持続可能な実践の必要性についても開設しました。

本 Part 2 では、次のような主要なトピックを取り上げます。

  • 拡大生産者責任 (EPR)
  • PPWR の詳細な要件と目標 (リサイクル性、再利用、ラベリング要件を含む)
  • 包装メーカーへの影響とヒント
  • ビデオジェットがお手伝いできること

拡大生産者責任 (EPR) とコンプライアンス監視

各加盟国が PPWR のリサイクル目標を確実に達成するために、各加盟国は遵守状況を監視するための国家登録制度を確立しなければなりません。これらのシステムは、加盟国によっては既に存在する既存の EPR システムを改良するものです。これにより、生産者は、廃棄物管理費や収集のためのゴミ箱へのラベル貼付費用など、包装の管理コストを管理する財政的責任を負うことになります。既存の EPR 制度とは異なるコストへの影響に関する詳細は、まだ決定されていません。

プラスチック包装の最低リサイクル率要件

PPWR は、2030 年と 2040 年に向けて、プラスチック包装材の消費後リサイクル後 (PCR) 最低含有量に関するさまざまな目標1 を設定しています。 2026 年 1 月 1 日までに、欧州委員会は、これらの実践を評価、検証、認証する方法を開発する予定であり、第三者による監査が含まれる可能性もあります。リサイクルのインフラが改善されれば、PCR を使用する能力も向上し、これらの目標がこれまで以上に身近なものになるはずです。

PPWR のその他の特筆すべき要件

PPWR には他にも多くのことがありますが、注目すべき考慮事項や目標は次のとおりです。

  • 一次包装と輸送用包装の具体的な目標を定めた包装の再利用の増加
  • 懸念物質 (SVHC、PFAS、重金属) の最小化
  • 2029 年までに、使い捨て製品と同等のコストで再利用/詰め替えシステムを支援し、使い捨ての飲料用プラスチックボトルと金属容器に義務付ける
  • リサイクル性、複合化可能性、材料構成に関する消費者教育のため、包装に QR コード®またはその他のデータキャリア2 を推奨する
  • 重量と体積を減らすために包装サイズを最小化すること (空容積率を 50% 未満にすることを含む)

ラベリング要件

包装材は、消費者に包装材の材料組成を簡単に知らせるために、調和のとれた材料ピクトグラムでラベリングされ、分類を容易にしなければなりません。QR コードやデジタルデータキャリアを使用することで、どの部分がどの分類に属するかといった、さらなる分類情報を提供することができます。

クローズド・ループ・システムで再利用された包装材は、追加のラベル要件を満たす必要があります。

  • 包装が再利用可能であることを示すラベル
  • 以下を提供する QR コードまたはデジタルデータキャリア
    • 包装の再利用性に関する情報
    • 包装の追跡
    • 包装の移動と回転の計算

注: QR コードまたは同様の機能を含めることは、この文脈においてのみ必須です。

必ずしも必須ではありませんが、QR コードまたはデジタルキャリアを推奨します。製品ラベルのスペースが限られている中、QR コードはユーザーとサプライチェーンに小さな形式で多くの情報を提供します。このような推奨情報には、次のものが含まれます。

  • 材料構成と分別先をユーザーに通知
  • 消費者をリサイクルや再利用システム参加させる
  • 再利用性や返却・詰め替えプロセスについての説明
  • リユースシステムと回収拠点の利用可能性の共有
  • 生産者の拡張責任義務への準拠を示す
  • プラスチック放送の PCR 含有量やバイオベース材料についての教育
  • 登録商号、商標、連絡先情報

包装メーカーへの影響

PPWR は、包装規制の将来像について先例を示しています。製品包装の状況は、より持続可能な素材へと変化し続けるだろうし、それに続く委任法がより具体的な指針を与えることで、循環型社会へのロードマップは整いました。

包装の変更は一朝一夕にできるものではないため、将来も EU 市場にサービスを提供し続けたいブランドにとって、リサイクル性の要件に今から備えておくことは必須です。取るべきアクション:

  • 現在の包装の見直し
    • 現在使用している包装材を直すす
    • 包装ピクトグラムや下流ユーザーと共有すべきその他の情報を含めるためのラベルスペースを見直す
    • 素材の変更が生産ライン、消費者の受容、ブランドに与える影響について考慮する
    • 一次包装だけでなく、E コマースや輸送用包装にも、非常に特殊な要件があります
  • PPWR のリサイクル性、堆肥化性、PCR、再利用性の目標を顧客が達成するために、どのような手順を踏んでいるかを理解するために、包装資材の供給業者に相談しましょう。
  • デジタルキャリアの要件とデザインへの影響を検討しましょう。包装に QR コードを追加する必要があるか、または QR コードを追加したいかを検討します。記載を希望する情報と、その情報がどの程度の可変性を含むのかを評価します。
  • EPR の変更と費用に備えましょう。EPR は EU では目新しいものではありませんが、いくつかの変更が予想され、組織からどのようながとが期待されるかを知っておくと良いでしょう。

ビデオジェットの高度な印字およびマーキングソリューションの活用法

包装に関する規制の状況は急速に変化しています。これは、包装材料の選択肢も変化しており、現在のマーキングおよび印字ソリューションの変更が必要になる可能性があることを意味します。

ビデオジェットは、お客様独自のニーズに合ったさまざまなマーキングと印字ソリューションを提供することで、より持続可能な包装への移行をサポートします。素材にリサイクル素材が含まれている場合も、より軽量または薄く設計されている場合も、植物由来の素材が含まれている場合も、ビデオジェットは最適なソリューションを見つけるお手伝いをします。

欧州印刷インキ協会 (EuPIA) のガイダンスに従い、ビデオジェットでは包装のリサイクル性に影響を与えない産業用インクジェットプリンタ用のインクを提供しています。また、レーザー技術は、二次元コードを含む永久的なテキストとマーキングを作成する一方で、消耗品の使用量を最小限に抑え、ラベリング基準を満たします。

製品に二次元コードを追加する際に何から始めればよいかわからない場合はここから始めてみましょう。ビデオジェッにご相談ください。

参考文献:

https://www.europarl.europa.eu/news/en/press-room/20240301IPR18595/deal-on-new-rules-for-more-sustainable-packaging-in-the-eu

https://www.eea.europa.eu/publications/plastics-the-circular-economy-and/ 44 ページ

https://www.eea.europa.eu/en/topics/in-depth/plastics?activeTab=fa515f0c-9ab0-493c-b4cd-58a32dfaae0a

https://apps.fas.usda.gov/newgainapi/api/Report/DownloadReportByFileName?fileName=European%20Union%20Finalizes%20New%20Rules%20for%20Packaging%20and%20Packaging%20Waste%20Reduction_Brussels%20USEU_European%20Union_E42024-0012 2 ページ

1 https://apps.fas.usda.gov/newgainapi/api/Report/DownloadReportByFileName?fileName=European%20Union%20Finalizes%20New%20Rules%20for%20Packaging%20and%20Packaging%20Waste%20Reduction_Brussels%20USEU_European%20Union_E42024-0012 5 ページ

2 QRコードは、株式会社デンソーウェーブの登録商標です