耐引裂性のある医療機器用包装にコードを付加するための攻略法

マーク・ディッシャー
Videojet グローバルOEMマーケティング・マネージャー
 2025 年 7 月 29 日

サーマルインクジェットプリンタ、熱転写オーバープリント、UVレーザーの印字技術で医療機器のTyvek ® 包装に機能を追加するには

医療では一秒一秒が重要であり、すべての細部が重要です。そのため、医療機器メーカーは、製品の絶対的なトレーサビリティを確保するという、ますます大きくなるプレッシャーにさらされています。ユニークデバイス識別 (UDI) 制度や関連施策の導入により、医療機器は製造から患者への使用までのトレーサビリティを確保するために、製品固有および製造固有の詳細なコードを表示することが求められています。

滅菌包装において、DuPont™ Tyvek® はその耐久性、微生物バリア性、耐引裂性により、業界標準の包材となっています。ただし、可変データをTyvek®に直接印字するには、求められる「高解像度で耐久性のあるコード」を実現するための特別な印字ソリューションが必要です。

Tyvek®を知る:医療用包装における信頼性

Tyvek®は、高密度ポリエチレン (HDPE) の連続した繊維から作られた、多孔質でありながら高い耐久性をもつ素材です。その独自の構造により、水蒸気を通しながら微生物の侵入を防ぎ、滅菌性を維持します。この通気性があり軽量な素材はカテーテルから埋め込み型デバイスに至るまで様々な医療機器を保護し、トレーの蓋としての使用・器具の包装材としての使用などの多様な包装ニーズを満たすために、主にTyvek ®1073B、1059B、2FS™、 40L の 4 つのグレードが用意されています。

印字の攻略: Tyvek ®への UDI マーキングの課題

UDI(ユニークデバイス識別)への準拠においては、医療機器およびその包装に、人が読める情報と機械が読み取れるコードの両方を含めることが一般的に求められます。これらのコードは通常、GS1 DataMatrixやGS1-128バーコードの形式で表示され、取り扱いや滅菌、保管といった工程を経てもサプライチェーン全体を通して判読可能な状態で残り続ける必要があります。Tyvek® 包装に直接印字する方法では、ラベルの剥がれといったリスクは回避できますが、素材特有の表面特性により新たな課題が生じます。鮮明で耐久性があり、規格に準拠したコードを実現するには、適切な印字・マーキング技術とその消耗品の組み合わせが不可欠です。

Tyvek®の印字課題を解決するための 3 つの技術

印字およびマーキング技術をリードするビデオジェットは、Tyvek®への直接印字に対応する3つの高度なソリューションを提供しています。

1. サーマルインクジェット (TIJ) 印刷: 高速・鮮明・信頼性

小規模な生産ラインでの利用や高解像度印字に最適なTIJプリンタは、Wolkeグローバルソルベントインクのような溶剤ベースのインクを使用することで、次の特長を提供します。

  • コントラスト抜群の高解像度印刷
  • 業界最高水準のデキャップ時間 (キャップを外しておける時間) の長さにより、スムーズな生産を保証

TIJ プリンタは狭いスペースでの利用において特に効果的であるため、コンパクトな包装ラインへの組込みに最適です。

2. 熱転写オーバープリント (TTO): 柔軟な素材上に耐久性のある印字を実現

TTOシステムは、デジタル制御されたプリントヘッドを使用して、リボンからTyvek®・フィルム・ラベルなど柔軟性のある素材にインクを転写します。Tyvek®に対して、ビデオジェットはラフテクスチャタイプ黒色インクリボンの使用を推奨しています。

  • 粗い面や凹凸のある面への優れた固着性
  • にじみや摩擦に強く、高速の生産ラインでも鮮明な二次元コードの印字が可能
  • 耐光性があり、長期間にわたって可読性が保たれる

3. UVレーザーマーキング: 永続的でクリーンな印字

Tyvek® 2FS™へ恒久的な高コントラストの印字を施すためにUVレーザーシステムを使用できます。素材を損傷することなく色を変える化学反応によってマーキングを生成します。

  • インクやリボンなどの消耗品や、印字後の素材の再検証が不要
  • UV レーザー マーキングは厳しい UDI 要件を満たすことができ、包装のライフサイクル全体を通じて印字が損なわれることなく保持される

テストで実証された信頼のパフォーマンス — 安心して任せられる技術

ビデオジェットのサンプルラボは、Tyvek® 1073B、1059B、2FS™、 40Lなど、さまざまなTyvek®のタイプに最適な印字ソリューションを特定するために広範なテストを実施しました。GS1 DataMatrix ECC 200コードを、TIJ、TTO、およびUVレーザー技術を使用して印字し、ISO/IEC 15415規格に従ってバーコード検証機でグレーディングを行いました。これらのテストでは、ラボの環境下で一貫して優れた可読性が確認されました。リネンのような質感が特徴のTyvek® 40Lでは、グレーディング品質を高めるために検証時に補強用の白い裏貼りを使用しました。全体的なテスト結果は、Tyvek®の各種タイプにおいてビデオジェットの技術が高い信頼性を発揮することを示しています。

なぜ Tyvek® への直接印字は従来の「ラベルを貼る」方法より優れているのか?

Tyvek®での直接印字には、従来のラベリング方法と比べて次のような多くの利点があります。

  • ラベルが剥がれるリスクなし:コードが素材に直接印字されるため、耐久性とトレーサビリティが得られます
  • UDI規格への準拠:TIJ、TTO、UVレーザー技術は、  Tyvek®に印字する場合、欧州医療機器規則(EU MDR 2017/745)体外診断用規則(EU IVDR 2017/746)米国FDA UDI規則(21 CFR Part 801 & 830)、およびその他の地域のUDI規格の厳しい要件を満たすことができます
  • 素材との高い適合性: ビデオジェットの印字およびマーキング技術は、各素材に固有の特性に合わせて、高解像度で長持ちする印字を提供します

直接の印字によって粘着ラベルに関連するリスクを排除することは、製造時から患者の使用時に至るまでの包装のライフサイクル全体を通じてコードの可読性を確保するのに役立ちます。

なぜTyvek® への印字のためにビデオジェットを選ぶべきなのか?

Tyvek®への印字は、一律の方法では対応できない精密な作業です。これは、適切なツール、サポート、専門知識を必要とする精密な仕事です。

ビデオジェットを選ぶと得られるもの

  • 医療機器のUDI対応に関する豊富な経験
  • ラボにてTyvek®の各グレードに対する検証を実施済みの、医療機器の包装に最適な印字ソリューション
  • 生産ラインを止めないためのグローバルなサポートとサービス

インクからレーザーまで、あらゆる技術を網羅するビデオジェットは、患者の安全、規制遵守、そして企業の信頼性という最も重要な価値を守るお手伝いをします。

Tyvek®包装向けの印字ソリューションの詳細については、ビデオジェットにお問い合わせいただくか、当社のウェブサイトをご覧ください。

DuPont™およびTyvek®は、DuPont de Nemours, Inc.の関連会社の商標または登録商標です。

関連資料

ビデオジェット資料: 医薬品用包材: DuPont™ Tyvek®
ビデオジェット資料: DuPont™ Tyvek®への可変データの直接印字
ビデオジェットのサーマルインクジェットプリンタ
ビデオジェットの TTOプリンタ
ビデオジェットのUVレーザーマーキングシステム
欧州医療機器規制(規則(EU)2017/745(EU MDR))
体外診断用規制 (EU IVDR 2017/746)
米国のFDI UDI規則、ガイダンス、トレーニング、およびその他のリソース

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